ぼちぼち歴史学習に入ろうとしているので、歴史系の書籍によく目を通しています。
氏は、社会科の目的を究極的には、
「かしこく正しい選挙民となるにはどうすればよいか」という「大きな問題解決学習」だと位置づけています。
そのために、社会科は社会と個人との関わりを機能面から学習(第一過程)し、
社会の問題点およびその発見の仕方、解決の仕方を歴史的条件、地理的条件から考察(第二過程)し、
最後に、望ましい政治家を世に送り出す条件などを学習する(第三過程)という3つの過程を包み込むものではならないとしています。
歴史学習は、この第二過程を受け持つ中でこそ、その存在意義を有すると指摘しています。
氏は、このような立場からの歴史教育に不可欠なものとして「史心」の育成を挙げました。
1954年の書籍ですが、学ぶべきことは多いです。
※「史心」とは柳田國男の造語。
「史心という言葉はいろいろの内容をもつが、かんじんなところは、社会は動いていくものであるということの確信をもつような心である。その基礎には、今は昔と違っているということ、昔から今の間には、変遷なり発達、進歩があって現実を昔と変えてきているが、それと同時にこれからも変えていくことができるものであるという確信をもつことが史心である」『社会科教育法』p38-39より