社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

2473 反省的実践家としての教師

 優れた教師は、ただ経験を積むだけではありません。自らの実践を“実験”として捉え、試し、振り返り、分析し、改善する──そんな「反省的実践家」として歩みを続けます。

 子どもの表現を出発点に、その子にとって意味のある学習活動を設計し、実際の授業に臨む。そして、その結果をベテランや同僚からの批評も交えて見直し、子どもの表現の解釈方法、可能性の見極め方、対応の仕方の妥当性を多角的に検討していく。そこには「これで終わり」という到達点はなく、常に改善と挑戦のサイクルが回り続けます。

 社会科や美術、特別活動といった多様なフィールドで教材研究を重ね、豊かでしなやかな授業づくりを目指す。その過程は、一見地道で時間のかかる作業ですが、こうした反省的実践の積み重ねこそが、子どもの成長を支える土台となります。

 教師の専門性は、知識や経験をただ蓄積するだけでなく、日々の実践を振り返り、意味づけ、次の一歩に生かす力の中にこそ宿るのです。