社会のタネ

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787 授業づくりの4つの問題領域

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本書の価値は、授業づくりについて四つのレベルに分け、詳細に論じられていることです。

「まえがき」には次のように書かれています。

 

授業づくりにおいて、教師は、まずレベルの異なる次の四つの問題領域を自覚的に区別すべきである。

(1)教育内容(何を教えるか)

(2)教材  (どういう素材を使うか)

(3)教授行為(子どもにどのように働きかけるか)

(4)学習者 (それによって子どもの状態はどうなるか)

 その上で、これらの問題領域のそれぞれについて、理論的・実践的に蓄積された知見を学ぶ。新たに構想を練る。多様な発想をつき合わせ、その中から自分独自のスタイルをつくり出す。各レベルがどのように関連しあうかの見通しを立て実践する。このような創造的な過程が授業づくりの仕事なのである。」

 

 4つのレベルに分けて授業を考えることは、授業づくりにおいて常に意識したいことです。

記録をとったり、授業ビデオをみてふり返ったりすることは、「教授行為」や「学習者」を意識していることに他なりません。

「学習者を意識するからこそ、教師は自分の思い込みを正す機会を得ることができる。」と藤岡氏は述べています。

子どもの「事実」からいつも再スタートです。

 

 「教材づくり」を考える際も、「学習者」や「教育内容」、「教授行為」までを含めて考えたい物です。

すべてがからみあって成り立つからこそ、「教育内容」「教材」「教授行為」「学習者」という四つのレベルを意識して授業を整理しなければいけないことに気づかされます。