昨日取材した「坊勢島」は一般的に言えば、「水産業がさかんな地域」にあてはまります。逆に言うと、水産業がさかんな地域の事例地としての「坊勢島」となります。学習を進めるとすると、子どもたちはどちらを意識して学習するでしょうか。
①私たちは「水産業がさかんな地域」について学んでいる。
②私たちは「坊勢島」について学んでいる。
おそらく②の方になるのではないかと思います。しかし、この単元ではけっして坊勢島や坊勢島の漁業のみを学習するのではありません。あくまでも「我が国の水産業について理解を深めること」が単元のねらいです。
そもそも固有の事例か一般の事例かを学習していくには、それぞれのメリット・デメリットがあると思います。
いきなり一般的な事例で子どもたちに考えさせても子どもたちの意識から遠いので思考はしにくい。固有の事例にどっぷりはまってしまうとその事例地のみの学習となってしまう…。バランスが大切です。僕のイメージでは、子どもたちが興味をもちやすく自分ごととなりやすい固有の事例から入り、どこかで科学的な思考を通して一般化する。という方法が適していると感じています。
つまり、個別の事例で学習を進めはするが、一般化の意識を常にもちつつあるべきだ、ということです。一般化のさせ方は方法論として重要になってきます。子どもたち自身がその方法を身につければ言うことないのですが…。またその方法については後日述べていきたいと思います。
余談ですが、4社の学習問題を比べてみました。
A社
「水産業がさかんな地域では、どのようなふくうや努力をして水産物を消費者にとどけているのだろう」
B社
「水産業がさかんな地域では、どのようなくふうをして、わたしたちの食生活を支えているのでしょうか」
C社
「水産業で働く人たちは、どのような工夫や努力をしながら、水産物をとったり、とどけたりしているのだろう」
D社
「水あげの多い漁港がある長崎県では、どのような水産業がおこなわれているのだろう」
それぞれの特徴が表れます。
こうやって4社それぞれの教科書に記載されている学習問題を比べてみてもおもしろいですね。