社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

98 社会的事象をみる

(前回の続きです) 

yohhoi.hatenablog.com

  

 

  • 社会的事象をみる

 

 ⼩学校社会科では、「社会的事象の⾒⽅・考え⽅」です。社会的事象をみるとはどういうことなのでしょう。⾮常にわかりやすく図式化されているものがありましたので以下にご紹介いたします。

 

 社会的事象とは、社会全体のことではありません、あくまでも社会の⼀部を切り取った⾯であります。つまり、⼦どもたちが社会科において学んでいることは社会の⼀部を扱っているに過ぎません。

 

 「社会全体をみて理解しろ」と⾔われても困りませんか?⼦どもたちも同じです。全体をみてもぼんやりとします。⼦どもたちに「社会をみなさい」と⾔っても無理があります。だから「社会的な⾒⽅(視点)」あるのです。視点を定めることで⼦どもたちは社会的事象を具体的にみられるようになり、考えるべき所に焦点を当てられるのです。そして、その視点をもとに考えることが「社会的な考え⽅(追究の⽅法)」と⾔えます。

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 切り取った社会的事象を「教材」として⼦ども達は学びます。社会的事象を学ぶことで、⼦ども達は社会の⼀部を理解することができます。知識や概念を獲得することができます。そこで得た概念が汎⽤可能な知識となり、他の社会的事象の意味や特⾊がみえてくるようになります。そう考えると、「社会的⾒⽅・考え⽅」は追究の「視点や⽅法」であると共に、「概念そのもの」であるとも考えられます。働かせるものでもあり、鍛えたり育てたりするものでもあるのです。

 

 

 さて、⾒⽅・考え⽅を働かせてみた社会的事象。この社会的事象を教室の中だけにしてしまうのはもったいないです。これをもう⼀度社会の中に戻します。社会科の学習で得た知識や概念、⾒⽅や考え⽅を⽣かすことで、実際の社会がより明確にみえるようになってくるのです。この繰り返しが⼤切になってきます。「社会の中から社会的事象を取り出す」→「⾒⽅・考え⽅を働かせて社会的事象をみる」→「みえた社会的事象を社会全体に戻す」→「社会の特⾊や意味がみえるようになる」という流れです。

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 (続く)