日本の気候区分。
一度に覚えようとしても難しいです。
意識したことは、
・比較しながらスモールステップで学習する
・エピソードを添える
ということです。
【①北海道の気候と南西諸島の気候】
まずはこの2つ。
特徴的でわかりやすいからです。
気温に着目すればすぐにわかります。
子どもたちがけっこう混同しているのが「気温」や「気候」という言葉。
ここでその言葉の意味の違いもしっかりと教えます。
【②日本海側の気候と太平洋側の気候】
次はこの2つ。
日本海側の冬の降水量は圧倒的。
逆に夏に降水量が多いのが太平洋側。
「なぜそうなるのか?」という問いが、ここの学習のひとつの大きなポイントです。
難しいので、ヒントを出し合いながら対話的にすすめる必要があります。
「ああ、友だちのヒントや説明があるからよくわかる」
「学び合うって貴重だな」
と感じさせます。
ここで季節風のメカニズムがわかると、残りの「瀬戸内海の気候」「中央高地の気候」はつなげて考えることができます。
以下のエピソード(ネタ)を紹介すると、さらに定着します。
【瀬戸内海の気候】
次は瀬戸内海の気候。
太平洋側の気候と比較します。
年平均気温は同じ。
違いは…そう、降水量です。
「瀬戸内海はなぜ降水量が少ないのか?」
が問いになります。
これも非常に難しいですが、既習である季節風のメカニズムを使って考えます。
ここもヒントを出しながら対話的にすすめます。
ため池のエピソード(ネタ)を出してもいいですね。
その他、高校野球の優勝校が瀬戸内海の地域に多い理由を考えさせてもいいでしょう。
逆に、東北地方(日本海側)の学校が強いスポーツとその理由を考えさせてもおもしろいです。(これは日本海側の気候関連ですが…)
【中央高地の気候】
最後に中央高地の気候。
ここも比較です。
瀬戸内海と同じように降水量が少ない。
この理由は季節風と関連づけて、もう簡単に答えられることができます。
どこが違うかというと、寒暖の差。
この理由は難しいです。
中央高地だけが他の地域とと違うことを地図を見せながら考えさせます。
そう、海に面していないということです。
陸地と海の違い。
温まりやすさやや冷めやすさなどを子どもの経験と照らし合わせながら説明します。
最終的に、これらの特長を子どもたちが自分で説明できるようになることが大切です。
気候区分の学習に3時間ほど費やしますが、それぐらいかけてもいいと思います。
・自分の言葉で論理的に説明できるようになること
・ 協同的に学ぶ愉しさを味わうこと
これらの大切さがよくわかるからです。
教師が説明すれば5分で終わり。
それを45分で学ばせることに、授業というものの価値があるのです。