社会化を難しくしていることの一つに「社会科用語」があると思います。
谷川彰英氏(1993)は以下のように分類しています。
(1)なじみの薄い用語
(2)いいかえ用語
(3)あいまい用語
「なじみの薄い用語」は、その名の通り、熟知度が低い用語のことです。
例えば、規模、経営、産業、資金、地形などが考えられます。
我々大人は簡単に当たり前に使っている言葉ですが、子どもにとってはよく意味がわからない用語は多々あります。
「いいかえ用語」は、本来は学術的な裏づけを持った専門用語を使った方が理解できるけれど、発達段階の問題上、いいかえをしている用語のことです。
例えば、ねだん(「価格」のいいかえ)
しくみ(「構造」や「組織」のいいかえ)
しごと(「労働」や「作業」のいいかえ)
などが考えられます。
最終的には元になる言葉の意味を理解させようとする方向性があります。
「あいまい用語」は、広い範囲の解釈ができたり、多くの意味があったりする用語のことです。
例えば、むかし(どれぐらい過去なのか?)
ようす(状態?情勢?そぶり?人の姿?事情?)
さかん(割合が高い?総量が多い?)
などが考えられます。
ただ、あいまいだからこそ、子どもたちは自由な思考ができると言えます。
それぞれの用語の特徴を捉えて、何気なく使っている言葉を意識する必要がありそうです。
谷川氏は、「社会科用語の構造」を以下のようにまとめています。
これを参考に、子どもたちが「社会科用語」を身につけ、よりよく社会認識できるようにしたいものです。