社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

610 まとめとふり返り

1時間の授業の最後には「まとめ」を書く活動が多くなると考えられます。私は、「〈ふり返り〉=「まとめ」+α」という形で捉えています。「まとめ」と〈ふり返り〉の違いを明確にし、それぞれの目的や書き方について説明していきます。

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〈なぜまとめをするのか?〉

 学びを確認し、定着させるためです。本時の問いに対する答えを導き出し、学習内容を確認する時間とも言えます。本時の問いが「農家のAさんは、どのようにして〜?」だとすれば、まとめの文は「農家のAさんは、〜だ」という風になります。つまり、主語が「農家のAさん」となり、本時の問いと対応して答えることになります。

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〈なぜ〈ふり返り〉なのか?〉

 「まとめ」に対して〈ふり返り〉は、自分自身の解釈や思い、自分の学び方等について書きます。つまり、自分自身に対するふり返りなので、主語は自分自身、「私は〜」となります。〈ふり返り〉を書かせる目的を以下に述べていきます。

①学びを深めるため

どのように問題解決をしたのか、思考方法や知識の活用、コミュニケーションの方法などについて、反省的に思考させることができます。また、客観的に学びを見つめ直し、自分自身で学びを整理させることができます。つまり、立ち止まり、熟考することで、学びを深めることができるのです。

  • 学びに「つながり」をもたせるため

新たに得た知識と既有知識とつなげたり、友だちの考えを自分の学びとつなげたりすることで知識が構造化され、知識の質や認識を高めることができます。学びの幅が広がり、協同的に学習したことを実感することができます。

  • 自分の変容(成長)を自覚させるため

客観的に自分の学びをみつめ、どのように学び、どのように自分が変化したのか自覚させることができます。学習内容の獲得だけではなく、「思考法」や「追究法」など、学び方を確認し、自らの学び方を更新することができます。また、新たな「問い」の創出を意識させることで、主体的、向上的に学ぼうとする意欲にもつながります。

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