「学級集団」を支えているものは「ルール(共有された行動様式)」と「リレーション(あたたかな感情交流)」です。
「やってはいけないこと」と「やるべきこと」を教え、身につけさせます。
しかし、「ルール」は勝手に確立されません。
集団の中で作り上げていくものです。
そしてその「ルール」は、教師と子どものよりよい関係がないと成り立ちません。
信頼関係が重要です。
まず、教師の柔軟なリーダーシップを発揮し、T-Cの信頼関係を築くことが重要です。
子どもたちは「何をいうか」ではなく、「だれが言うか」で動きます。
つまり、教師のやりかたではなく「あり方」です。
■やる気を引き出す
子どもたちは「できるようにわかるようにしてくれる先生」「つながってくれる先生」に学びたいと感じています。
子どもたちの信頼を得るためにも、「子どもたちをできるようにすること」「子どもたちとつながること」を考える必要があります。
子どもたちが「できること」を実感するために、子どもたちの「やる気(内発的学習意欲)」を引き出すようにします。
やる気の源は「有能感」、「自己決定感」、「他者受容感」であると桜井茂男(1997)は言います。
自分はできることがあると感じ、自分に選択することができ、人から認められるからこそやる気が出ます。
子どもたちは安心できる状態の時にやる気が出ます。まずその安心感をもたせるために教師がすることは、
①いつもいて一貫すること ② 体のケアをするということ ③ 感情のケアをするということ |
です。
まずは教師が子どもの安全基地になり、安心感をもたせます。
それが教師への信頼につながります。
■子どもとつながる
教師は子どもたちとつながろうとすることに努めます。特に、教師の周りに自ら来ない子どもたちとのつながりをいつも意識します。一人ひとりと個別の話題があるかどうか、一人ひとりの名前を思い浮かべて考えるようにします。
あたり前のことですが、相手に関心を持つことが大切です。関心もつからこそその子をみることができ、その子の表現を認めることができ、共に笑うことができます。子どもとつながるための方法はたくさんあります。その手間暇をしっかりとかけることが重要です。
野口芳宏(2010)は教育という営みが成立するには、教師と子どもたちとの間の必要条件として「信」「敬」「慕」の3つを挙げています。教師が子どもたちに信頼されること、尊敬されること、慕われることです。
教師としての「あり方」を意識し、常に子どもへの愛情をもち続けたいものです。