集団で生活していれば必ず問題は起こります。
問題が起こることが悪いことではありません。
問題を解決する方法を教えないことが問題です。
子どもたちは、問題を自分たちの力で「乗り越えることができた」と実感したときに、自分の成長を実感します。
適切な問題解決の方法を経験させなければ、子どもから成長する機会を奪うことにもなりかねません。
人とつながりながら共に問題を解決していこうとする「協働的問題解決能力」が必要です。
学級経営は、指導すべき内容があり、その中核となるものが、「協働的問題解決能力」です。
問題解決能力が低い子は、好ましくない状態がある時に負の感情をもったり、人を攻撃したりします。
そうではなく、よい方法を提案できる子にするべきである。
まずは、学級の中に一定の「問題解決実行者」を育てることが重要です。
協働的問題解決者を増やすために、「集団」を育てることが必須です。
もちろん、「集団」を育てるために協働的問題解決者を増やすことでもあります。
その協働的問題解決能力を使って幸せな人生の創造や社会への貢献に向かえるようにします。
ただ、協働は万能でありません。赤坂真二(2018)は、協働のリスクとして次の4つを挙げています。
① ただ乗り(コストをかけずに成果を得ようとする) ② 社会的抑止(人からどう言われるのかを意識しすぎる) ③ 思考の阻害(自分のペースで学習したり作業したりできない) ④ 同調圧力(空気を読まされる) |
このようなことを前提とした上で、リスクがあろうとも、よりよい結果が出せる道を教師が選択することが大切です。
教師は子どもたちとつながり、子どもたち同士をつなげ、協働的問題解決能力がある集団を育てるように心がけたいものです。
杉田洋(2009)は、子どもたちに育みたい自治的能力を「多様な他者と折り合いをつけて集団決定することができる力」と「集団決定したことをそれぞれが役割を果たしながら、協力して実現することのできる力」だと言います。
学級の支持的・自治的風土があり、共に問題を解決していこうという協働的問題解決能力がある集団でこそ、個別最適な学びが機能します。