社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1100 受動的発動

篠原助市(1953)は、次のように述べる。

「『かのように』といふ場面に存するこの矛盾的性格、與へながら創造せしめ、傳達でありながら獲得であるといふ矛盾的性格こそ教授の本質であり、この矛盾を私は『受動的発動』といふ言葉に表現したいと思ふ。」

教授を一方的に教え込むものではなく、子ども自らが「かの如く」答えをみつけたり、再創造したりできるようにしていくことこそが「教授」だと主張する。篠原は「単に教授のみでなく、一切の教育は受動であると同時に発動である。」と述べる。

この考えは、大正自由教育の魁であると捉えることができる。

現代でも大切にしたい主張である。

篠原助市(1953)『教授原論』多摩川学園大学出版部