社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1404 「実践」とは

ボロボロの本だけど、中身は濃い。

 

■今は理論の時代ではなくて実践の時であり、行動の世紀である。
■実践は決して理論の単なる実現者ではなくて、先行する理論の実践者であり、理論の価値の検討者であり、修正者であるとともに、新しき理論の母である。真に実践の中から生まれた理論こそ、次代の実践の指導者であり、堅実なる理論とは実践の中から生れ、幾多の実践的試練を経た実学的理論を意味する。
■創造と苦闘のないところに、実践の醍醐味はあり得ない。創造的実践とは、単なる教材研究や実際報告ではなくて、教師の全生活に浸透するところの実践精神である。教育を事務的にすませる程度の実践ではなくて、実践の中に没頭して全身的に生きる道である。一つの実践が教育の全面を生かし、また教師の生活全体を生かすところの白熱的実践である。
 実践の力強さはそこから来る。



上田庄三朗(1938)『新教師論』啓文社出版 より。