社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

576 『納得の構造』

 確実なデータに基づいて、様々な「納得の構造」について日本とアメリカを比較しながら著された良書です。 

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 なぜこの本を再読しようと思ったのかは、昨日のUDカレッジ(社会)の中で、しきりに「なぜ?」と「どのように?」についての論考が話されていたからです。
 このことについては本書の第5章の歴史教育における日本とアメリカの比較の所に具体的に記されています。

アメリカでは原因の特定を求める「なぜ(why)」であったのに対して、日本では出来事の展開や状況、歴史上の人物の気持ちを問う「どのように(how)」「アメリカと比較して日本の教師と教科書が「どのように」という質問を多くしているのが目を引く」p120


など。


 なぜ日本とアメリカで大きく違うのかを、日本の共感力と、アメリカの分析力や問題解決能力をもとに説明されています。
 また、「なぜ」と「どのように」の性質の違いや「なぜ」と問う意味について論じられたり、奥西一夫氏の論文を引用したり、とても刺激的です。


もう少し、分析的に読み進めようと思っています。