3年生の「安全なくらしを守る」の学習を例に挙げます。
学習を通して、「信号機には安全を守るための工夫がある」という知識を獲得することができます。
その知識を活用して、日常生活の中の他の事象が見えるようになります。
例えば、音が出る信号機、ガードレール、カーブミラー、道路標識、道路の線など、その数は無数にあります。
「きっとガードレールや道路標識も、信号機と同じように安全を守るための工夫があるんだろうな」
と、獲得した知識を適用しながら見られるようになります。
また、これら「モノ」だけでなく、人がしている「こと」にも目が向くようになります。
例えば、パトロールや交通整備等の警察官のはたらきが考えられます。
このように、学習で得た知識を教室内だけではなく、日常生活で実用するのです。
得た知識を日常生活で実用することで、知識の有用性を感じると共に、日常の世界がよりよく見えるようになります。
日常生活の中にある様々なものが豊かに見られるようになります。
社会のことがよくわかるということになります。
子どもたちは身につけた知識を活用し、社会全体を見ることで、日常生活の中で新たに出合った社会的事象の意味や特色が見えるようになります。
子どもたちが「〜と同じように」「〜と同じで」という言葉を発した時がその瞬間です。
獲得した「知識」や「技能」を日常生活で実用してはじめて本当の理解ができたとも言えます。
また、理解が深まり日常の世界がよりよく見えるようになることで、社会に参画しようとする態度が生まれてきます。
地域のボランティア活動への参加、防災訓練への参加、街づくりワークショップへの参加等が考えられます。
社会に関心を持ち、自分たちの役割を考え、できることを見つけようとすることで、よりよい社会をつくっていこうとする態度の育成につながります。
まずは教室内で、社会科にできることを誠実にやっていきたいものです。