先日、3月3日(日)に「第4回ALL社会科セミナーIN寝屋川」がありました。
https://kokucheese.com/event/index/550850/
テーマは「社会科の発問をどうするか」。
社会科の発問で最も有名だと言える発問は、
「バスの運転手さんは、どこを見て運転していますか?」
ではないでしょうか。
有田和正氏の超有名な発問です。
「バスの運転手さんは、どんな仕事をしていますか?」
よりも子どもたちが具体的に答えやすい。
と言われます。
その理由の一つにに「知覚語」で問われているからだとされています。
(「知覚語」は宇佐美寛氏の造語)
しかし、1授業の中で有田氏が発問しているのはそれだけではありません。
指導案を見る上では、以下の6つの発問がされています。
①バスはタイヤが何個ついていますか?
②バスの運転手はどこを見て運転しているか?
③バスの運転手は運転している時に何を考えているのか?
④交差点の真ん中で黄色になったらどうするか?
⑤運転中に子どもが飛び出してきた。どうする?
⑥バスの運転手と電車の運転手とどちらが難しいか?
補助発問も含めればもっとあります。
それぞれ発問のねらい、以下のような意図が感じられます。
①の発問はバスそのものの構造を捉える(見ているようで見ていないことを自覚化させる)
②の発問は仕事の具体化
③は運転手の願いを引き出す
④⑤は運転手の苦労と工夫を引き出す
⑥他と比較させて差異と共通点を導き出す
→バスそのものの構造から入り、運転手の仕事をつかませる。そして運転手の願いや苦労・工夫を考えさせ、最後に電車との比較を行う。
優れた発問はその発問単体で語られることが多いです。
しかし、どのような文脈の中で発問されているのかを考えるべきではないでしょうか。
そうすることで授業像もよりクリアに見えてくるように感じます。
このあたりは、この書籍の中に詳しく述べられています。
僕の大好きな社会科書籍の中の一つです。