社会のタネ

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686 LGBTを読みとく

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最近よく見かける「LGBT」という言葉。メディアなどでも取り上げられ、この言葉からレズビアン、ゲイの当事者を思い浮かべる人も増えている。しかし、それはセクシュアルマイノリティのほんの一握りの姿に過ぎない。バイセクシュアルやトランスジェンダーについてはほとんど言及されず、それらの言葉ではくくることができない性のかたちがあることも見逃されている。「LGBT」を手掛かりとして、多様な性のありかたを知る方法を学ぶための一冊。

(Amazon書籍紹介 より)

 

 

 セクシュアルマイノリティを傷つけたくないと心から思っている人は、知らずに傷つけているのかも知れないという不安を抱え続けています。

それを取り除くための一歩が、「何を知っていれば他者を着ずつけないで済むのだろうか」という問いだと筆者は主張します。

 

  また、

セクシュアルマイノリティとは『普通』の性を生きろという圧力によって傷つく人々、と言い換えることができます。『普通』であることを押しつけられ望まぬ生き方を強いられたり、あるいは『普通』でないことをもってからかいや排除の対象となる人々と言ってもよいでしょう。このような『普通』という暴力を、差別と言い換えることもできます。(p17)」

と述べています。

「『普通』という暴力」という言葉にドキッとします。

日常であたりまえに使う言葉、「普通」とは何なのか、考えざるを得ません。

 

 また、「良心的」であるがゆえに起こる差別があるとも説明しています。

「独りよがりで知ったかぶりの『いい人』アピールよりも、正確な知識をもっていることの方が、他者を差別しないためには重要なのです。じっくりと冷静に知識を得ることで、自称『いい人』から多くの人が脱皮することが、差別のない世の中を作る一番の近道だと、私は考えています。(p31)」

とはいえ、何をどこまで知っておけばいいのかという問いが残ります。

そこで本書では、「みんながこの程度まで知っていれば十分にセクシャルマイノリティに対する差別は解消されうる」と筆者が考える知識を、ポイントを絞って記述されています。

 

じっくりと考えたいテーマの1つです。