社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

1086 連続した追究

「対象と自分との関係を持続させていくこと」が重要だと山田は述べます。具体例として、小学校の5年生の工業の学習を紹介しています。ある工場について徹底的に学習させた後、その工場の分析を通して日本の工業をとらえようとした学習です。その後の商業の学習の時に、子どもが具体的な事例を用意して学習をはじめたということです。また、5年生で農業を学習する際、自分達の地域に展開する農業の状況を考察した後、日本の歴史を学習する際に、この地域にその歴史を示す何かがないだろうかということで、郷土史の研究を踏まえるような形の学習を展開したということです。対象と自分との関わりが連続している姿として山田は捉えていました。
 このように、「対象と自分との関係を持続させていく」とは、対象と自分との関わりがより明確に現れる「具体」を通して「全体」を捉え、その関係性をまた次の学習にもちこむことを言います。
 自分が獲得した見方や考え方を適用している子どもの姿です。子どもはそうやって事象を身近なものに引きつけようとしますし、対象を自分と関係のあるものとして見ようとしていきます。それが、「社会的事象が身近になる」「社会的事象を身近にする」ということの一つではないかと考えます。