3年生社会科のはじめに学ぶ「(1)身近な地域や市の様子」の単元は、社会科全体の導入(オリエンテーション)的な役割を果たしています。この単元を通して、子どもたちは生活科で培った「身近な場所への関心」から一歩進み、「地域社会を構造的·関係的に見る視点」を育てていきます。
この単元では、地域の位置·地形·土地利用·交通·公共施設の場所と働きといった身近な題材に触れながら、「なぜそこにそれがあるのか」「どのように人々の生活とつながっているのか」といった問いをもつことが重視されます。子どもたちは観察や調査活動を通じて、地域の姿に“意味”を見出し、社会的な見方·考え方の芽生えを実感していきます。
また、この単元で育まれる「地理的に空間を見る力」「歴史的に変化を見る力」「人との関わりを考える力」は、その後の「市の移り変わり」や4年生の「都道府県の学習」へとつながる社会認識の土台となります。
このように、「身近な地域や市の様子」は、事実の把握にとどまらず、子どもたちが社会を見る「眼鏡」を手に入れる出発点としての意義があり、3年生社会科の全体を方向づける重要な単元であるといえます。