社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

108 5年生社会科No12「克水①」

☆水屋を調べることを通して、輪中に住む人々がどのようにして水害を克服してきたのかを理解することができる。

T「実は私、実際に海津市に行ってきたのです。2015年度の夏。その時の様子です」

※T—教科書p18p22と同じ場所の写真pp提示

※T—撮ってきた動画を流す

(※T—NHK未来広告ジャパン!「高い土地と低い土地」クリップ「輪中」)

T「海抜0mの堤防に囲まれた輪中です」

T「もしあなたが輪中に家を建てるとしたらどんな家を建てますか」

※C—ノートに家を描く。(簡単に5分程度)

※C-数人発表。交流。

T「実際このような工夫をしていました」

※水屋提示 ※自ら撮影した水屋映像を流す4:50〜

C「洪水になってもいいように家を高くしてを建てているんだ」

※T—米俵を提示。

T「なぜこんなにたくさんの量の米が蓄えられているのですか?」

「一度水害になるとそれだけ長期間水が引かないから」

※T—上げ舟提示

T「この舟、なぜこんな所にあるの?」

C「洪水になったときに使う」C「避難するときに使う」

※T—高くつくってある家を提示

T「実際に海津市に行って見てきたのですが、多くの家が高めにつくってあるのです」

T「このように水の被害や問題を克服することを「克水」と言います」

T「まだ工夫があるのですね。みんなが前時に予想した中にも似たようなものがあったと思います。これを見てみましょう」

※T—NHK未来広告ジャパン!「高い土地と低い土地」クリップ「高須輪中排水機場」

C「すごい。たまった水を外に大量に出しているんだね」

★輪中に住む人々は工夫をして(水害)からくらしを守ってきた。

例えば(水屋のように家を高くして避難できるようにしている)(排水機場をつくって輪中にたまった水を外へ大量に出している)。私は〜。

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107 5年生社会科No11「海津市の様子」

岐阜県海津市の過去と現代を比較することを通して、学習問題をつくることができる。

※T—屋根の上トラック提示。

C「え〜どうして?」C「何かがあるんだよ」

T「どこで撮った写真か紹介します」

※T—海津市上空写真提示。

T「この写真を見て、目立っているものは何でしょう?」

C「川が大きい。川に囲まれている」

T「そうですね。特徴的ですよね。この場所、岐阜県海津市といいます。地図帳で場所を調べて、見つけたら赤丸をつけなさい」資p33

T「さらに、海津市には大きな川が3本流れています。何川でしょう。これも確認したらチェックします」

C「揖斐川長良川木曽川です」

※T—海津市海抜上空図提示。

※T—海津市断面図図提示。

T「青い部分は海抜0m地帯と言い、海岸付近で地表標高が満潮時の平均海水面よりも低い土地のことです」

T「この部分、堤防といいます。堤防に囲まれた場所を「輪中」と言います。先程車が走っていたのはこの堤防の上なのですね」

T「このような海抜0m地帯に住む岐阜県海津市(輪中)に住んでいる人々の悩みは何だと思いますか」

C「洪水などの水害が起こる」C「堤防が崩れたら大変」

T「そうですよね。このような土地の低い場所ですから、洪水の被害が大きそうです。実際ありました」

※T—洪水の写真提示

C「うわ!これはひどい

T「昭和51年。38年前の洪水ですね。こういう水害がたくさん繰り返されてきました」

T「しかも、洪水になれば農作物もこんな風になります」

※T—水害の農作物提示

C「トマトがめちゃくちゃ」

T「これをみてください。実は、海津市に行って、海津市のパンフレットを一部もらいました。さて、この封筒の中身、どんなパンフレットでしょう」

※T—海津市のパンフレットを提示

C「お〜!」

T「何に驚きましたか?」
C「めっちゃ平和そう」C「「自然の楽園」て書いてある」C「すごい変化」

T「過去の海津市から現在の海津市。これだけ大きく変化しました」

T「海津市の人々は、どのようにして「自然の楽園」にしたのだろう?」

C「堤防を作ったと思う」C「水路や排水を整備した」C「川の水を調整した」

C「水を使って観光名所とかつくったと思う」C「川の水を田や畑に生かした」

▶どのようにして水害を防いできたのか

▶どのようにして水を生かしてきたのか

T「次からこの問いを追究していきましょう」

 

〈参考文献〉『授業実践ナビ社会』安野功(2010)文溪堂

 

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106 『第1回社会科+αの会』開催

【第1回社会科+αの会】2019.5.18(Sat)

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午前中は「倉敷物語館」にて社会科の話。

午後からは「大原美術館」にて美術鑑賞。

美観地区をフィールドワーク。

僕自身は、もうとびっきり楽しい時間でした。

 

 

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午前の会場が「倉敷物語館」。

これがまた雰囲気があって素晴らしい建物。

館内にも倉敷の「ステキ」がいっぱいつまっていました。

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まず僕からは「郷土の発展につくした先人」の授業づくりについて。

正直この分野は十分に深めることができないまま終わってしまいがちな単元でもあります。

実際僕も小学生の時にだれのどんな学習をしたのか記憶にありません。

その単元に焦点をあててお話をするのははじめてでした。

まず僕の初任の頃の失敗談からはじめ、論文を引用しながら「あるある」を共有。

その単元でなぜそうなってしまうのかを分析。

小林一三の実践の具体を通して、社会科の何を大切にしたいのかをざっくりとお話させていただく。

しかし、実は自分の話は反省点ばかり。

もっともっと整理するべきだった。

それにもかかわらず温かい反応いただいた皆様に感謝。

 

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近江さんからは、倉敷の偉人、大原孫三郎の授業実践のお話。

何をねらい、何を大切にされているのかがよくわかる実践。

根っこが太いものになっているので、ぶれない実践。

今後も共に社会科を盛り上げていきたい方です。

 

そしてお昼は、「椿」にて。

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とっても素敵な空間でした。

コースの料理も上品で、体と心を癒やしてくれました。

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午後から大原美術館へ移動。

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柳沢学芸課長からお話をいただきました。

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秀逸。

たった30分のお話でしたが、大原美術館の歴史、美の世界へ誘われました。

大原美術館の学芸課長としての使命と誇りをもったその雰囲気。存在感。

すばらしかったです。

次回企画するときは、氏のお話をもっと多くお聴きし学びたいです。

大原コレクションの鑑賞がよかったことは言うまでもありません。

 

 

その後、美観地区をフィールドワーク。

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気になるお店もたくさん。

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数年前に来たときとはずいぶん様子が違っていました。

もともとの素敵さはもちろんありますが、店の多さ、その構えが違っていました。

僕自身は以前の美観地区のほうが好きなのかもしれません…。

 

夜は『鳥好』。

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こういう雰囲気、大好き。

安くてウマイ。

満足の夜。

 

そして倉敷の夜はまだまだ続く…。

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朝から深夜まで大満喫の倉敷でした。

 

お世話をしてくれたのは山下君。(たいぢ)

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大学時代の悪友です(笑)

まさかこんな形でいっしょにできるとは思ってもいませんでした。

幸せな時間でした。

 

 

参加してくださった皆様。

何から何まで現地で計画準備してくれたたいぢ。

素敵な講座をいただいた近江さん。

倉敷物語館の皆様。

大原美術館学芸課長柳沢さん、大原美術館の皆様。

遅くまでごいっしょいただいた新納さん、塚ちゃん、窪山さん、江尻さん。

ありがとうございました!

 

大好き倉敷。

105 捨てる勇気

数年前、社会科が楽しくなってきたことのひとつに、資料集めの楽しさを感じれるようになったことがあります。

 

 

6年生担任時、歴史資料をたくさん集めました。

 それらを使って授業していくと子どもの目の輝きも変わってきました。

しかし、集めた資料をふんだんに使った授業。

 後から板書をふり返ってみても、何を伝えたかったのかがはっきりしません。

子どもの思考が拡散しすぎて焦点化されてない授業が多々ありました。

 

もちろん自分自身のねらいも何だったのかはっきりせず…。

 

せっかく集めた資料、いっぱい使いたいものですが、資料を精選して「捨てる勇気」をもつことが必要だとその時思いました。

資料を精選して、たった一つの資料だけでも45分の授業を構成できるように工夫していかなければいけない、と強く思いました。

 

集めた資料はすべて使いたくなってしまうものです。

しかし、捨てることで、物事の本質がよりクリアに見えるようになることを忘れてはいけません。

 

104 愛しの座敷わらし

昨年度、この本を読んでいきなり東北へ行きたくなりました。f:id:yohhoi:20190506101719j:plain

遠野です。

とってもよかったです。

 

今年も行きます。

北へ。

今年は被災地をしっかり見てこようと思っています。

子どもたちに伝えたいこともあります。

まずは行くこと。

そこからです。

 

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103 5年生社会科「川から考える地形」

☆日本の中の長い川を調べることを通して、山、川、平野の関係について理解することができる。

T「日本で一番長い川は?」

C「信濃川

T「では、2〜5番目は?」

C「①信濃②利根③石狩④手塩⑤北上」

※C—ペアで地図帳を使って調べる。P65

C「全部東側だ」

T「なぜ長い川は全部東日本なのだと思いますか?」

C「高く険しい山が多い。だから雨や雪が多く降るようになる。雨や雪が多くなると長くて大きい川ができるから」

T「川とセットになっているものがあります」

C「平野だ」

T「日本一広い関東平野と2番目の石狩平野を地図帳①「地形のようす」から見つける。2つの平野を流れる川の名前と順位は?」

C「2位の利根川と3位の石狩川

T「長くて大きい川がけわしい山脈から流れると、なぜ広い平野ができるのか」

C「水がたくさん流れると土が削られていく。それが下の方にたまって平野になる」

※Tー平野のでき方動画提示。

①      信濃川越後平野

②      利根川関東平野

③      石狩川石狩平野

④      天塩川—天塩平野

⑤      北上川—仙台平野

C「広い平野と長い川はセットのようなものだね」

☆長い川が東日本に多いのは(高く険しい山が多い)からだ。大きな川が流れている所に(平野)ができやすい。私は〜。

※C—教科書p17 主要なものにチェックをつける

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※ミニテストNo7配布

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102 5年生社会科「日本の様々な地形」

☆日本の国土の地形は場所によって違うことに気づき、山地が多くて平地が少なく、川の流れが急であるという特徴を理解することができる。

『日本を空から見ると何がみえるのだろう?』

※T—特徴的な場所をpp提示。

※C—場所を調べる(北海道石狩平野、千葉県九十九里浜徳島県祖谷地方、長崎県九十九島、)

※T—4つの写真を提示。

T「それぞれの写真で目立つものは何ですか?」

C「祖谷地方は山」

C「九十九島は島ばっかり」

C「九十九里浜は海岸」

C「石狩平野は田んぼばかり」

T「つまり、どういうことが言えますか?」

C「日本は場所によって様子がまったく違う」

T「日本の地形は場所によってどのようなちがいがあるのだろう?」

T「日本にはいくつかの大きな島があります。何という島ですか?」

C「本州」「北海道」「九州」「四国」「択捉島」「国後島」「沖縄島」

T「それらは合わせるとどんな形だと言えますか?」

C「細長い」「南北に伸びている」「弓なりになっている」

T「日本にはたくさんの島があります。いくつあると思いますか?」

C「6852」※兵庫県は182。

T「日本の周りにはどんな海がありますか?」

C「日本海「太平洋」「オホーツク海」「東シナ海

※T—河川の長さpp提示。

T「日本を外国の川の比較です。どちらが日本の川だと思いますか?」

※C—挙手。

T「なぜ選んだのか理由を教えてください」

C「日本は島国で山が多い」

C「平野が海に近いから川の長さが短くなる」

C「だから流れも急になるんだね」

T「「日本の川は(滝)のようだ」と言われていますね」

☆日本の国土は(山地)が多くて(平地)が少なく、川の流れが(急)である。私は〜。

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※ミニテストNo6配布

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101 第1回社会科+αの会

【第1回社会科+αの会】2019.5.18(土)

kokucheese.com

 倉敷の名美術館、大原美術館を舞台に学びを深めます。
 大原美術館は、倉敷を基盤に幅広く活躍した事業家大原孫三郎が、昭和5年に設立した日本最初の西洋美術中心の私立美術館。独特の個性を発揮するユニークな民間総合美術館として世界に知られるようになりました。
 現場で子供達や社会人と触れ合う種々の教育普及活動も展開しています。地域発展、教育的にも非常に重要な意味もつ美術館です。
 社会科の内容とも深く結びつきがあります。

 今回のセミナーでは、まず宗實から「4年生「郷土の発展につくした先人」の授業つくり」について提案いたします。
 次に近江氏から地元倉敷での「大原孫三郎の授業」の具体実践について提案していただきます。
 昼食後、大原美術館学芸課長の柳沢秀行氏より大原美術館の概要をお話いただきます。それを受けて大原美術館の名品をゆっくり鑑賞いたします。「アテンダント・スタッフ」と楽しく話をしながら作品を鑑賞するツアーに参加。その後自由鑑賞となります。
 最後は美観地区をぶらり街歩き。美観地区の歴史的景観やその美しい町並みも堪能できます。 

残り4席。
よろしければご参加ください。

【開催日】 2019年5月18日(土)
【場 所】 倉敷物語館 http://kmc.jp.net/service/monogatari
      大原美術館 https://www.ohara.or.jp/
【講 師】 柳沢秀行(大原美術館学芸課長)
      宗實直樹(関西学院初等部
      近江祐一(倉敷市立老松小学校)
【参加費】 3000円(大原美術館入館料を含む)
【定 員】 15名
【日 程】
10:00~11:00 
  宗實直樹「4年生「郷土の発展につくした先人」の授業つくり」(倉敷物語館にて)
11:10~11:50 
  近江祐一「大原孫三郎の授業」(倉敷物語館にて)
11:50~13:00 
  昼食 美観地区 大原美術館近隣にて
13:00~13:30
  大原美術館学芸課長「大原美術館について」(仮)
13:30~15:30 
  大原美術館フレンドリートーク 自由鑑賞
15:30~16:30
  美観地区フィールドワーク

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100 消火栓から地域の工夫を見つける

【ねらい】

消火栓を調べることを通して、地域の気候や地形の条件に合わせて消火栓が工夫されていることを理解することができる。

 

T「これ何でしょう?」

※T—ppで消火栓提示。

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「わかった!消火栓です」

T「日本には、これ以外に違う色や形の消火栓があります。例えば…」

※T—pp提示。

(②丸型)(③地上形)(④長い地上型)

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C「えぇ〜〜!長い!」

T「そう、長〜いですよね」「ちなみにこの消火栓、こんな大きさです」

※T—模造紙で作成した実際の長さのもの(2m)を提示。

『なぜ日本には違う色や形の消火栓があるのだろう?』

※C—予想。

T「では、それぞれの消火栓がどこのものなのか。」

「北海道帯広市新潟県上越市兵庫県宝塚市沖縄県糸満市

※日本地図提示書きこむ

『それぞれの消火栓は、どこの消火栓だと思いますか?1分間でそれぞれ書きましょう。』

※それぞれの地域と消火栓番号を興趣で確認

※考えた後選んだものと理由を自由に発言させる。

(※実際は①が宝塚市、②が糸満市、③が帯広市、④が上越市

T「まず②は…糸満市です」

T「で、一番議論になっていた④ですが…実は…上越市です!」

T「③が北海道帯広市になります」

C「ええ、そうなんだ!」

T「根拠となる資料を見せます」

上越と帯広の気候図提示

T「このグラフのどこを見ればいいですか?」

C「冬に降水量が多い。これは雪」

C「北にある北海道より南にある上越市の方が雪が降っている。どうして?」

T「なぜだと思いますか?」

※C—軽く予想。

T「実はここ、日本一の豪雪地帯です。多いときは5mぐらい積もります。なぜそんなに雪が降るか追究してみてください」

※T—地図上に4つの消火栓を提示する。

T「つまり、何に合わせて工夫をしていると言えますか?」

C「気候です。雪が多い地域は地上式の消火栓。雪があまり降らない地域は地下式の消火栓」

※T—まとめを書く。「消火栓は地域の気候に合わせた工夫がされている」

T「しかしこの消火栓、こんな派手にせずに白や黒でいいのにね」

C「だめです。白や黒じゃ見えにくくなって困ります」

C「色も工夫しているんだね」

T「さて、これ以外の形や色の消火栓、他にあると思いますか?」

C「ありそう!」

T「実は、こんなものもあります」

※T—ppで小樽の消火栓を提示。

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T「この消火栓があるのは北海道の小樽市。全国で唯一ここだけです。」

T「なぜこのように色分けしていると思いますか?」

※C—予想。

T「どうやったらわかりますか?」

C「実際に行く。訊く」

T「今日は訊いてみよう。小樽の消防局に」

T「電話できいてくれる人いませんか?」

T「失礼のないようにしてくださいよ」

※T—小樽消防局に電話をかける。

C「こんにちは。兵庫県○○小学校5年C組の○○と言います。今お時間よろしいでしょうか。社会科の学習で消火栓のことを勉強しています。なぜ小樽の消火栓はいろんな色に分けられているのか教えてください」

※T—携帯のスピーカーにして全員に聞こえるようにする。

(事前に小樽消防局には了承を得ておく)0134-22-9171

C「坂のまちと言われ、坂が多いという理由が元で、配水管が一目で分かるようにと色分けされている」

T「何に合わせて工夫をしているのですか?」

C「気候だけでなく、地形にも合わせている」

※T—まとめを書く。「消火栓は地域の地形に合わせた工夫がされている」

※C—〈ふり返り〉を書く。

T「こうやって気候や地形に合わせて工夫しているものって他にもあると思いますか?そういったものもぜひ追究してみてくださいね」(追究を促す)

 

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〈参考文献〉『小学校社会科板書モデル60』柳沼孝一(明治図書)2014

 

 

以下は、授業後実の子どもたちの追究ノート(自学ノート)の一例です。

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99 「社会的な⾒⽅・考え⽅」を働かせるための授業(例)

 (前回の続きです) 

yohhoi.hatenablog.com

yohhoi.hatenablog.com

 
 実際の授業づくりにおいて、「社会的な⾒⽅・考え⽅」を働かせるための授業をどのように組み⽴てればよいのか、実践を通して紹介したいと思います。

 

  • 第5学年社会科「都市鉱山からつくるみんなのメダルプロジェクト」

 

【本時の目標】

都市鉱山からオリンピックメダルを作る取り組みについて調べ、持続可能な社会を目指す活動の重要性や難しさについて考えたことを表現することができる。

 

 都市鉱⼭からオリンピックメダルを作製しようとする社会的事象を扱います。 

 まず、「⾒⽅(視点)」は、メダルプロジェクトという社会システム視点の「事業」にあてました。事業について追究することで「なぜこの事業?」「そのよさは?」「⽇常⽣活とのつながりは?」など、様々な問いが⽣じます。

 

 もう⼀つの視点は時間視点の「背景」「変化」「持続可能性」等です。これからどうするべきか、どうなるのかという時間の経過から考えます。「今までと何が違うのか?」「これからどうするべきか?」などの問いが⽣じます。

 

 そして、過去のオリンピックのメダル製作⽅法と⽐較したり、携帯をどのようにしようしているかといった⽇常⽣活と関連付けたりしながら追究をしていくのです。

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 決してオリンピックを学びたいのではありません。オリンピックのメダルプロジェクトという事象を切り取り視点を定めます。そこから持続可能に対する概念(汎⽤的な知識)を獲得させることがねらいなのです。

 

 そして、オリンピックのメダルプロジェクトという社会的事象から得た概念を社会へ戻した時に有効に使えるようにしたいのです。「持続可能な社会を⽬指す取り組みは⼯業⽣産だけでなく、他にもたくさんあるんだな」「いいとわかっていても難しいことが社会の中にはたくさんあるんだな」とみえてくるようになります。「これも持続可能な社会を⽬指す取り組みかな」「これはメダルプロジェクトとある意味同じ取り組みだ」と社会の中で新たに出合う事象の特⾊や意味が⾒えてくるようにしたいのです。そうすることで、またさらに「持続可能な社会を⽬指す取り組み」についての概念がより深くなるのです。