社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

258 「つまずき」に対して(「つまずき」シリーズ3)

①社会科における配慮事項

 ただでさえ難しさのある社会科です。

困難さをもつ子どもたちにとってはより「つまずき」を感じる教科にもなりかねません。

 学習指導要領では、指導計画作成上の配慮事項に「障害のある児童などについては、学習活動を行う場合に生じる困難さに応じた指導内容や指導方法の工夫を計画的、組織的に行うこと。」が明記されています。

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 これはどの教科にも共通して明記されています。

 社会科では、

「地図などの資料から必要な情報を見付け出し、読み取ったりすることが困難な場合には、読み取りやすくするために、地図等の情報を拡大したり、見る範囲を限定したりして、掲載されている情報を精選し、視点を明確にするなどの配慮をする。」

等が具体的に書かれています。

 大きく3つのことが書かれています。

困難さ

指導の工夫の意図

手立て

です。

色分けして線を引くなどするとよくわかります。

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 これを目の前にいる「困難さ」を感じている子どもにあてはめてみます。

 

「話し合いについてくることが困難な場合には、内容理解をしやすくするために、写真やグラフなどを用いて話し合いを進めるなどの配慮をする。」

 

「見通しを持って学習に取り組むことが困難な場合には、安心して学習に取りませやすくするために、単元を見通した学習計画を全員でつくりあげるなどの指導の工夫をする。」

 

などになります。

子どもたちのもつ「困難さ」は子どもたちが感じる「つまずき」と同義です。

目の前の子どもの「つまずき」に合わせて、配慮や指導の工夫を考えることが大切です。

学習指導要領はその大きなヒント与えてくれています。

 

②子どもが感じる困難さ

 また、社会科授業UDでは、以下のように子どもたちが感じる困難さの階層を「参加レベル」と「理解レベル」にわけ、それぞれを「課題設定場面」「課題追究場面」「課題達成場面」の3つの場面で捉えています。

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 一人の子どもの「つまずき」はどこにあるのかを探り、そこから授業づくりをはじめていくことが大切です。

 

子どもが感じる「つまずき」を想定した授業のあり方について考えていきたいものです。