社会科理論
「どのように」から「なぜ」へ。
「用語」について敏感になりたいものです。
5年生の社会科は「産業」という枠組みで捉えていく視点をもつと、子どもたちが見方・考え方も働かせやすくなり、社会認識も深くなると考える。
経験との結びつきが希薄になる「言語主義」や「はい回る経験主義」なんて揶揄されないように、大切にしたいこの関係。
概観してから具体へ。 全学年における社会科のポイントです。
■戦後社会科と問題解決学習 「今後の教育、特に社会科は、民主主義社会の建設にふさわしい社会人を育て上げようとするつもりであるから、教師はわが国の伝統や国民生活の特質をよくわきまえていると同時に、民主主義社会とはいかなるものであるかということ…
社会科は、子どもたちに「生きる勢いをつけるもの」といってもよい。 生きている実感を体験できない学習は社会科とはいえない。 (長岡文雄 1980)
最も早く経済の視点が出てくる単元は、3年生の「生産や販売のしごと」の単元です。 「消費者の多様な願いを踏まえ売り上げを高めるよう、工夫して行われている」ことを捉えさせます。 「売り上げ」という経済用語が使用されています。 そこには、お金や金融…
やっぱり子どもの「文脈」が大切。
現行の学習指導要領は、「概観→具体」を強く意識している。
子どもの中の、見えない世界を探りたいものです。
比較して「概念」を深めることで子どもが発言する内容も変わってきます。 例えば海津市(低い土地)の事例の学習後は、「海津市では、豊富な水を生かして農業やレジャーに営んでいる」という海津市のみに通用する具体的な知識内容です。 その後、嬬恋村(高…
柳田國男の談話という形で成城教育研究所から発刊された『社会科の新構想』(1947)。その最後の柳田の言葉は次の通りです。 「私の要求が性急に聞こえるのは、全く年をとっているからです。世の中がほんとうに明るくなるまではまてないから、今のうちに確信…
往還することが大切。
子どもたち学び方を加速度的に進めるのが、ICT機器です。 一人一台端末環境が実現しようとしています。 今まで授業中に調べる対象物が教科書や資料集等の紙媒体のみでしたが、インターネットで容易に調べられるようになります。 調べる活動の幅が大きく広が…
田村学氏の『学習評価』を読みました。 氏は前提として、学習評価の機能を以下の4点を示しています。 ①指導と評価の一体化 ②説明責任の遂行 ③自己評価能力の育成 ④カリキュラムの評価 今までは①に焦点を当てて議論されてきました。 しかし、本来学習評価と…
社会科では特に単元を俯瞰してみることを重要視しています。 単元の中での学びの過程と単元全体で獲得する概念的知識を明示化したいからです。 それを子どもたち自身が自覚的に明確に捉えるようになってほしいからです。 具体的にはロイロノートを使って「単…
①教室で社会の一部を切り取った社会的事象について学ぶ ②学んで獲得した知識や方法で社会を見る ③社会全体の見え方が変わる ④見えたことを活かして行動する 3年生の「安全なくらしを守る」の学習を例に挙げます。 学習を通して、「信号機には安全を守るため…
「ミクロな比較」は、 具体的知識同士の比較で、概念を獲得するための比較です。 「マクロな比較」は、 概念的知識同士の比較で、概念をより豊かにするための比較です。
「教材研究」や「教材開発」「教材発掘」等、「教材」に関わる用語は多くあります。 よく「教材研究」と言われますが、「教材研究」とは何をすることなのでしょう? 例えば、『教材事典』には、以下のように記されています。 また、横須賀薫氏は以下のように…
本書が発刊されたのが1961年。 子どもが進展させる思考の動きを中心とした授業分析について記されています。 そして、「子どもの思考体制」について10年以上研究されてきたものをまとめた『R.R.方式 子どもの思考体制の研究』が発刊されたのが1965年。 こ…
本書は、長岡文雄氏が20年以上研究を続けた木下竹二実践をまとめた書です。 木下竹二や長岡文雄における「学習」ついて知るには必読の書です。 長岡文雄氏の具体的な目標であり、学び続けてきた存在である木下竹二氏。 氏は、機関誌『学習研究』の創刊の辞…
指導案の「本時の展開」で「学習活動」を書きます。 その際の留意点があります。 主語は「子ども」で、 「外から見える子どもの姿で書く」 ということです。 例えば、 ・発表する ・話し合う ・読む ・書く ・聞く ・作る などが考えられます。 「子ど…
岩田一彦氏(1990)は、「教科書記述から「隠された問い」を抽出し、抽出された「問い」をどのように組み立てていくかが、授業設計の基本となる」と述べています。 実は、教科書には、明示されていない「問い」が多いです。 限られた教科書のスペースでは、「…
岩田一彦氏(1990)は、教科書の記述内容を活用するための必要な技術の一つとして「記述内容を分析・構造化する技術」を挙げています。 記述内容の分析・構造化とは、教科書に記述されている社会的事象の関係を読み取ることです。 下の教科書記述を例にします…
歴史の事実を捉えることは基本。 その上で、 「推論」 「価値判断」 「意思決定」 のどれを行う学習過程にするのかを考えることで授業設計できそうです。 「どうなるのか?」 「なぜ?」 「よかったのか?」 「どうするか?」 「どうするべきだったか?」 等…
経済、政治、歴史、地理などの視点から社会を分析し、関連づけ、総合することで、まとまりのある社会認識を育てることができます。 社会的事象を多面的に見られるようにしたいものです。
「認識」は、主として思考と知識とから成り立ち、直接に目で見ることはできません。 目で見えないので捉えにくいのです。 また、「社会認識」とは、社会の事物・事象の本質を客観的に把握することです。 物事を深く、客観的に把握することは容易なことではあ…
「飲料水、電気、ガス」の中で多く取り扱われてきたのはは「飲料水」でした。 これら3つに共通していることは、くらしにとってなくてはならないもの。 そして、 「安全で安定的に供給されていること」 です。 今まで通り、飲料水を事例にすればいいのですが…