社会科理論
4年生の学習内容のポイントのひとつ。 「自然災害」です。 これは、自然災害が多い我が国では必須の学習内容となります。 にもかかわらず、今までしっかりと学習されてきませんでした。 なぜでしょうか? これまでは、「火災、風水害、地震など」からひとつ…
今日の授業では、子どもたちが「例えば」と「つまり」をよく使って説明していました。 それを価値づけました。 「例えば」は、抽象(概念や意味)をもとに、具体的なことがらを引き出す演繹的思考を促す言葉です。 「つまり」は、具体から抽象(概念や意味)…
数ある有田和正氏の書籍の中でも僕が最も好きな書籍です。 有田実践と理論がバランスよく整理され、有田氏の問題意識が顕著にあらわれている名著だと思います。 80年代、学習主体としての子どもの視点・立場に立った授業づくりへの関心が高まりました。 そ…
『現代社会科授業理論』森分孝治 著が、明治図書より初復刊されました! https://www.meijitosho.co.jp/detail/4-18-428908-8 あと8日間注文受付可能だそうです。 社会科を研究する上では必読の書。この機会にぜひ(^_^)
子どもの概念形成や物事に対する認識についてずっと興味をもっています。 教科では、社会科の概念形成や社会認識を中心に考えています。 しかし、他教科での概念形成や認識方法についても考える必要があると思っています。 『歩きはじめの算数』遠山 啓編本…
数年前からずっと「比較」に焦点をあてて実践研究しています。 今の考えとは違う部分もありますが、以下、過去の記事を掲載いたします。 またしっかりまとめられたらと思っています。
授業UDの考えの中に、「3段構えの指導」というものがあります。 「3段構えの指導」とは、授業内における「全体指導の工夫」を通して学級の全ての子どもが楽しく「わかる」「できる」ようにすると共に、集中の持続や学習内容の理解に困難な子どもに対して「…
「つまずき」から深める 教師が「つまずき」を取り除く、「つまずき」を回復させるだけでは十分ではありません。 子どもたちが自分自身で「つまずき」を捉え直し、克服していく必要があります。 しかし、「つまずき」の捉え直しは決して容易なものではありま…
【「つまずき」を回復させるための評価】 概念的知識の獲得は、思考を働かせるその過程が大切です。 結果だけでなく、その過程を重視することで子どもたちの認識も深まります。 しかし、その過程において子どもたちがつまずく場面が多いということは、今まで…
「多角的に考える」ということは、それぞれの立場から考えるということです。 「多角的」に考えさせるポイントは「主語」を明確にすることです。 「生産者は…」「消費者は…」「情報を発信する側は…」「農民は…」「武士は…」等です。 立場で考えさせるのです…
選択・判断させることで、自分たちとの生活との関わりを関連付けて考えさせることも大切です。 この選択・判断は、単元の中での概念的知識の積み上げ方の違いによって質も変わってきます。 ちなみに、小学校学習指導要領(平成29年告示)解説社会編22ペー…
〈いかす場面〉 まとめを生かして、さらなる学習の発展が期待できます。 例えば、一般化を図ったり、選択・判断をさせたりする方法です。 私は、この「いかす場面」が非常に重要だと感じています。 これがあるのとないのとでは、学びも大きく変わります。 今…
〈まとめる場面〉 単元のまとめの時間です。 子どもたちが自分の学びをまとめ、ふり返るための時間です。 ここでは、学習問題をふり返り、達成できたのかを自己評価する場とします。 また、自分の学びのプロセスと、得た知識、学び方が表現されるようにした…
③深化し発展する言葉 子どもたちの思考が深化し、発展する言葉があります。 「逆説」 「順接」 「対比」 「補助」 「添加」 です。 それぞれ、 「でも(逆説)」 「だから(順接)」 「それとも(対比)」 「なぜなら(補助) 「また(添加)」 という言葉に…
しかし実は、子どもたちは授業の中でもこれらの言葉を意外とよく使っています。 その瞬間を教師がしっかり価値付けることが大切です。 「「例えば」を使ってたくさん事例を出せましたね。こうやってたくさん事例を出してくれるとみなさんどうですか?」 「「…
③ 子どもの言葉に着目する 上図のように、日常の世界と科学の世界を往還することで子どもたちの思考力がきたえられ、認識も深まります。 しかし、この往還が子どもたちにとって難しいのです。 特に、日常の世界から科学の世界へのぼろうとする時に多くの子ど…
4単元の入り口と出口 〈つかむ場面〉 単元の入り口と出口について考えてみましょう。 「つかむ」場面と「まとめる」「いかす」場面にあたります。 [社会的事象との出合い] まずは、単元の入り口である「つかむ」場面について説明します。子どもたちはまず…
2単元計画(「問い」の構想) 単元とは、子どもの学習過程における学習活動の一連の「まとまり」という意味です。 この「まとまり」の中でいかに概念的知識を獲得させるかが大切になります。 単元計画の作成とは、教師が意図やねらいをもって、この「まと…
3単元目標 単元で獲得させたい概念的知識は、学習指導要領にしっかりと明記されています。 単元目標も学習指導要領から導くことができます。 学習指導要領を読むのが億劫に感じる方もおられるでしょうが、読み方が分かれば簡単に読めるようになります。 下図…
〈3 発問の間口を考える〉 「なぜ〜?」や「どのように〜?」など、間口の広い発問の場合、問いと答えの距離が遠くなることがよくあります。 問いと答えの距離が遠すぎて、何を答えたらいいのか分からなくなる子が想定されます。 いきなり間口の広い発問をす…
〈2 問い方を変える〉 「なぜ?」を使わずに「なぜ?」を問うのと同じように概念的知識を獲得できる手立てについて考えました。 例えば、「なぜスマート農業に取り組むのか?」と問うことで、スマート農業の よさを引き出すことができます。 それをそのまま…
単元レベルで考える 1 問題解決的な学習 「社会的な見方・考え方」を働かせながら問題解決する活動を通して、「概念的知識」を獲得することができます。 では、問題解決的な学習とはどのような学習なのでしょうか。 下図が問題解決的な学習の一般的な流れ…
『知られざる教育』(1958)『人間形成の論理』(1964)と並んで本書を合わせた3冊が、氏の教育についての本格的な考え方をまとめたものとされています。 『人間形成の論理』発刊から9年かけての本書の発刊。 その年月の長い過程をつきつめて整理し直す道筋が捉…
〈1「複文型の問い」で問う〉 「なぜ〜?」という問いに答えやすくするための手立てが必要です。 そこで考えたい問いは、「複文型の問い」です。 「複文型の問い」とは、複数のものを対比させることによって生まれる問いです。 「Bは〜であるのに、なぜAは…
長洲一二氏は当時(1961年)、「社会科のなかでも経済学習は、おそらくいちばんおくれているのではないだろうか。」と指摘されていました。 そして、本書が発刊されたのは1990年。 同じ指摘が繰り返されています。 今現在も十分とは言えない経済教育。 という…
〈「なぜ〜?」は難しい〉 しかし、この「目に見える事実」から「目には見えない意味や特色」を見出すときに子どもたちの多くが「つまずき」を感じるのです。 そこには原因と結果をつなげて考える「因果思考」が働くからです。 「なぜ〜?」の問いは、何に対…
思考活動の「つまずき」に関して述べていきます。 (1) 見えるもの→見えないもの 社会科は、一言で言えば「見えないもの」を見えるようにする教科だと言えます。 社会的事象の見えない意味や特色を見出すことが社会科の本質とも言えます。 〈「どのように…
子どもたちの興味関心に対する「つまずき」を捉える時に、「身近になる」ということを考えることが大切です。 子どもにとって「身近」とはどういうことでしょうか。 社会的事象を自分ごととして捉えるときに、「身近」になるのではないでしょうか。 しかし、…
②社会的な見方・考え方を「働かせる」 社会的な見方・考え方を「働かせる」とは、空間的な視点、時間的な視点、関係的な視点に着目して「問い」を設け、比較や分類、関連付け等の思考を経て、社会的事象の様子や仕組みなどを捉えることです。 簡単に言えば、…
概念的知識を獲得するために、社会的な見方・考え方を働かせた問題解決的な学習を行うことが必須です。 ここでは、まず「社会科的な見方・考え方」とは何なのかを説明します。 ①社会的な見方・考え方の変遷 社会科発足以来、「社会的な見方・考え方」の捉え方は…