社会のタネ

社会科を中心に、アートや旅の話などもあれこれと。

2022-01-01から1年間の記事一覧

1049 見方・考え方や概念の明示的な整理

6年生のすべての学習がおわった時にこの表(もっと整理したもの。教科書の目次だけでもいいかな?)を渡し、見方・考え方や概念のつながりやそれらがどのように発展的に展開していったのかをつかませる活動を行いたい。見方・考え方や概念のつながりをクリ…

1048 集まる情報量をどう生かすか

ICT

ICTの導入によって大きく変化したのは、集まる情報の量。 おびただしい情報が入ってくる。 その情報は教師の子ども理解のためにも大いに役に立つ。 便利になったといえば確かにその通り。 しかし、それをどう処理し、分析し、どう生かすのか、今まで以上に教…

1047 学習者主体の授業でよく使う教師の言葉

学習者主体の授業になると、教師が使う言葉が変わってきます。 例えば、図のような感じです。 これらの言葉は、教師が子どもの前にいる状態から横並びのフラットな状態の時に出る言葉だと考えます。 教師も共同追究者になること。 すると子どもが自然体にな…

1046 あいまいな言葉から子どもの個性が見える

社会科授業の一場面。 子どもが「~は大変だから」といった発言をします。 「『大変』と言いましたが、どんなことからそう考えたのですか?」と問い返します。すると、「大変」という抽象的な言葉を裏付ける様々な事実が出されます。 それは子どもによって大…

1045 「子ども使い」を増やしていくために

問題解決的な学習の各場面で教師と子どもはどう活用しているのかを考えます。 「子ども使い」が増えると、どんどん新しいもの、我々が想像する以上のものを創造していくと感じます。 大切なのは,「子ども使い」を増やし、学習内容を深め、学習方法もより多…

1044 3年生 生産と販売の仕事の違い

3年生単元「はたらく人とわたしたちのくらし」では、生産と販売の仕事の違いを明確に捉えることが重要です。

1043 及川平治『分団式動的教育法』

「個別化」の概念や「個別最適な学び」を考えるには、やはり及川平治まで遡るべきです。 『分団式動的教育法』 明治時代の画一化した学級教授を大きく批判した及川です。 及川は次のように述べています。 「教師が教えたから児童の知能が発展するのではなく…

1042 発問の組織化を学習者側から考える

よい授業を行おうと思えば、よい教材の存在が必須です。その教材を生かすためのポイントのひとつは、教師が直接子どもたちに働きかける「発問」です。 しかし、「発問」を授業技術として単独で捉えようとするだけでは、正確に「発問」の構造や機能を明らかに…

1041 「構造化論」に至るまで

■なすことによって学ぶ経験主義教育 戦後社会科の実践と研究の実態は、デューイに代表される経験主義の教育を中心としていました。社会科授業を支えていた理念は、「なすことによって学ぶ」でした。「ごっこ活動」「見学・調査活動」「グループ活動」等の活…

1040 戦後社会科と問題解決学習

今後の教育、特に社会科は、民主主義社会の建設にふさわしい社会人を育て上げようとするつもりであるから、教師はわが国の伝統や国民生活の特質をよくわきまえていると同時に、民主主義社会とはいかなるものであるかということを、すなわち民主主義社会の基…

1039 3年生教科書「市の様子」

【各社の特徴】 ・T社とK社は「身近な場所の様子」と「市の様子」を分けて単元を組んでいる。 N社は二つをいっしょにして単元を組んでいる。 ・T社は、小見出しを観点ごとに分けている。「市の土地の高さや広がり」「市の土地の使われ方」「市の交通の様子」…

1038 3年生「わたしたちの市のようす」教科書比較

教科書比較から見えてくることは多くあります。 3年生「わたしたちの市のようす」教材研究の第1歩として、次のような方法が考えられます。 ①各教科書を概観し、どのような事例を取りあげているのかを比較して見る。 ②各教科書の事例の取扱方の特徴を見つける…

1037 3年生「市の移り変わり」

どのタイプで単元を組むのか、地域や子どもたちの実態に応じて変えていきます。

1036 圧巻

2時間の授業の記録が1冊の本(300p)になるって、その事実がほんと凄いなぁ。 「「築地先生の人生観が子ども達を変えている」ーこれが結論のすべてである。 これでは、役に立たない、が、結論は結論なのだ。」p279 教育感、教育に対する姿勢、子どもた…

1035 通常の一斉授業と自由度の高い自己決定的な授業

年間、通常の一斉授業はおよそ8割、自由度の高い自己決定的な授業は2割といったところでしょうか。 通常の一斉授業と自己決定的な授業、どちらが大切かというものではなく、どちらも大切です。 例えば、下向きの矢印のように、8割の一斉授業の中で見方・考え…

1034 「個別」概念の歴史的展開

それぞれを詳細に見ていくと、とってもおもしろいです。

1033 まるまる、そのまま子どもがいる

僕の大好きな書のうちの一冊。 「ページをめくると、そこに子どもがいる本」 「まるまる、そのまま子どもがいる本」 そんな本を書きたいなぁって思う。

1032 あたりまえの授業

カルテは、学籍簿でも通知表でも身上調査書でもない。それは、学校生活の中にあらわれた子どもたちの変化を子どもたち一人ひとりの心の奥底までえぐり出す長期にわたる記録である。 カルテを書くことにより、初めて子どもたち一人ひとりの弱さ、強さ、悩み、…

1031 協働的問題解決能力

集団で生活していれば必ず問題は起こります。 問題が起こることが悪いことではありません。 問題を解決する方法を教えないことが問題です。 子どもたちは、問題を自分たちの力で「乗り越えることができた」と実感したときに、自分の成長を実感します。 適切…

1030 子ども同士をつなげる

子どもは、経験もなしにつながることはありません。 子ども同士の信頼を築くには、それなりの経験が必要です。 日常生活や学級活動、学校行事などの特別活動での経験が考えられます。 しかし、学校生活の中で子どもたちが最も多い時間をすごしているのは授業…

1029 教師のリーダーシップ

「学級集団」を支えているものは「ルール(共有された行動様式)」と「リレーション(あたたかな感情交流)」です。 「やってはいけないこと」と「やるべきこと」を教え、身につけさせます。 しかし、「ルール」は勝手に確立されません。 集団の中で作り上げ…

1028 学級集団育成の手順

赤坂真二(2020)は、下図のように、学級集団育成の手順として、 「①教師のリーダーシップ」 「②子ども相互の良好な関係」 「③学級機能」を挙げています。 ①では、子どもとの信頼関係を築き、それに基づいた教師の柔軟なリーダーシップを発揮することが求め…

1027 ルールとリレーション

河村茂雄(2012)は、学級集団の必要条件として、「ルールの確立」と「リレーションの確立」を挙げています。 「ルールの確立」とは、「集団内に、規律、共有された行動様式がある」という状態です。 ルールは、学級の全員に理解され、定着していることが必…

1026 第二の教材

教材化を図るときに意識したいのは、「第二の教材」です。「第一の教材」とは、子どもたちが追究する対象である「人」「もの」「こと」です。「第二の教材」とは、追究を通じて生み出された一人ひとりの子どもの思考や感情のことです。その一人ひとりに生じ…

1025 「+α」で考える

まるごと教材化するのは確かに大変です。 そこでおすすめは、教科書+αで教材を扱うということです。 1時間授業の大半を教科書通りに進め、最後の数分間、自分がもってきた教材を使うというやり方です。 例えば、6年生の歴史人物である行基。 教科書では、…

1024 共有財産にする

社会科を専科等でしていない教師にとっては、教材発掘、教材化は至難の業です。 1年に何本も教材化できる訳ではありません。 例えば、1年間に1本だけ開発しようと決めてみるのはいかがでしょうか。 当たり前ですが、1年間に1本開発すれば、5年間で5本…

1023 教材化の具体

どのように教材化しているのか、具体例を挙げます。 ことのはじまりは、一冊の小説との出合いでした。森沢明夫氏の『かたつむりがやってくる たまちゃんのおつかい便』。「買い物弱者」をテーマにした心温まる感動作品です。この「買い物弱者」、つまり高齢…

1022  教材化の方法

どのように教材化していくかという方法論について説明します。藤岡信勝氏は著書『教材づくりの発想』の中で、教材開発の方法を「①上からの道」「②下からの道」と表現しています。簡単に説明すると、「①上からの道」は、「教育内容」から「素材」へと下降する…

1021 空間のもつ教育力

アメリカの知覚心理学者であるジェームズ・J・ギブソンが1950年代にafford(与える、提供する)を名詞化した造語に「アフォーダンス」という言葉があります。 『アフォーダンスー新しい認知の理論』の中では、「環境が動物に与え、提供している意味や価値」…

1020 個別化・個性化を支える条件

岐阜県池田町立池田小学校が著した『指導の個別化・学習の個性化―地域社会に支えられた学校―』という書籍があります。 本書は、教育の個別化・個性化を日常の具体的な実践を通して学校と地域が一体となって求め続けた7年間の詳細な記録です。 本書の「はじめ…